なぜ東南アジアと主導工業国の間に経済格差が生まれたかを考える
こんにちはヒールナビです。
期末テストが近づいてきましたね。ここで単位を落とすと僕は留年してしまうので、今回ばかりはまじめに勉強していこうと思います。
今回は履修しているアジア経済論のテーマのうち、「なぜ温帯と熱帯の間に経済格差が生まれたのか」という疑問について、講義の内容に加えて適当に漁った書物の知識を加えてここに雑にまとめておこうと思います。
そもそも
温帯...講義の中では特に4大主導工業国、つまりアメリカ、イギリス、フランス、ドイツのことを指す
熱帯...赤道付近の国の中でもとりわけ東南アジア諸国を指す
のそれぞれに属する国々の間の経済格差や輸出品目の違い(主導工業国は加工品、工業品が多く、熱帯の国は一次産品が多い)が存在する理由について考えていこうと思います。
講義の内容では
前半では熱帯の国々の経済のその伝統的部門に原因があることをほのめかしています。
これは制度によるものなのかは配布されるスライドには書かれていませんでしたが、伝統的経済においては労働が低賃金であり、無制限に近い労働力供給があるためであると書かれています。つまり、人を増やしても生産されるものが増えないので、賃金はずっと減り続けていくという状況が示唆されています。
そして教授が書いた論文の後半には、フランスの地理学者ピエール・グルーの『熱帯の地理』の内容から、
1.疾病
2.土壌の貧しさ
3.人口密度の低さ
が熱帯の生産性の低さの原因であると書かれています。つまり1、2の原因が人間の生存にとって不利であるため3の減少が起きてしまい、人間が繁殖せず、協力することが温帯地域と比べて難しいという条件に立たされているというわけです。
定期試験には、この3つの条件を書いていれば点数をもらえる気がします。
人間の生存にとっての熱帯
熱帯は上記の1、2の条件から人間の生存にとってとても厳しい環境になってきます。
1.疾病
熱帯の疾病と言えばやはりマラリアが有名であると同時に、実際に猛威を振るってきたと思います。緯度が高ければ高いほど大きな動物にとって生存が有利になることに対して、熱帯では小さな動物を含む様々な生物が生存しやすくなります。
マラリアなどの病が人間の数を減らし続ける限り食料を安定させることも、文明を発展させることも難しくなってきます。
2.土壌の貧しさ
東南アジアの土壌では稲作が簡単ではないのも理由に挙げられると思います。
そもそも稲作は温帯地域で伝播した技術ということもあり、温帯とは気候条件の違う熱帯で育てることが出来るようになったのもそう遠い昔のことではありません。
ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』によると、気候や昼夜の変化の違いから人間の移動や技術の発展は水平方向には早いが、縦方向には遅いと言います。ヨーロッパ諸国は緯度が近いため、似通った気候条件で稲作を伝播させることが出来ましたが、気温が高く湿度も違う熱帯国に伝播させるのは難しく時間がかかったと考えられます。
そして、食料供給が安定しない状態で文明を発展させることは難しいとされています。というのも、文明の発展に寄与する文化や技術の発展は人間に暇がないとできないからです。食料供給にあくせくしている間はある意味で暇つぶしともいえる文化的な行為をする余裕がありません。このことは後の工業国との間の遅れに大きく関係していると考えられます。
人間の協力について
ここで少し人間の数が多い方が発展する理由について書いておきたいと思います。
ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』によると、人とチンパンジーの違いは「柔軟に協力できるか否か」によるとされています。チンパンジーは2,30匹くらいであれば協力することが出来ますが、1000匹で統率した意志をもって協力することはできません。しかし人間は100でも、1000人でも協力することが出来ます。さらには通信手段の発達によって1億人規模でも統率した意志をもって協力することができるようになりました。
また、人間の集団の中に一人でも画期的なアイデアをもつ個体がいれば、多くの人間がそのアイデアに同意し、実行することが出来ます。そしてこの「画期的なアイデア」とは、人間の集団が大きければ大きいほど生まれる確率が高くなります。そしてひとたび生まれれば、そのアイデアを共有して実行に移すことが出来るというワケです。人間の集団はある意味、大きければ大きいほど指数関数的に発展することができるのかもしれません
この考え方が正しいのであれば、3.人口密度の低さ は熱帯の国々にとってとても厳しい条件になってしまいます。人間が少なく、アイデアが生まれにくく、生まれたとしてもそれを共有することすら難しいかもしれません。
まとめ
これで単位落としたら笑う